
15種類から選べる懐かしくおいしいお菓子「花吉野8袋セット」
2025/03/26
今回、編集長アッキーが気になったのは、昔ながらのお菓子の詰め合わせです。商品を販売する株式会社やぢ 代表取締役の矢地克行氏に商品の人気の秘密を取材陣が伺いました。

株式会社やぢ・代表取締役の矢地克行氏
―社長になられた経緯を教えてください。
矢地 大学卒業後、大阪市内の広告制作会社に就職し、10年ほど勤務していました。大手企業向けにポスターやパンフレット、カタログなどの制作に携わるディレクターとして働いており、広告の制作が好きだったので、まさか親のお菓子の会社を継ぐとは思っていませんでした。しかし、創業者である父親の病気をきっかけに、後継ぎとして家業の会社に入社することになったのです。まだ若かったので叔父がしばらく社長を務めていましたが、6年ほど前に70歳を機に叔父が退任し、私が代表取締役に就任しました。

15種類の中から選べる。かにせん。
―会社の沿革について教えてください。
矢地 創業者である父は石川県出身で、高校卒業後に大阪へ移り、菓子業界の老舗企業に就職しました。その後、独立して株式会社やぢを立ち上げました。当時は独立しても、やればやるだけなんとかなった時代でした。
当時は父と母と祖母の3人で仕事をしていて、小さいところから始めて、引っ越しのたびに会社が大きくなっていきました。
子供の頃は友だちに「お菓子の問屋をやっている」と言っても理解されづらかったことを覚えています。家に遊びに来た友だちから「お菓子屋やのに、お菓子が1つもない」と驚かれました。問屋ではお菓子がダンボールや缶に入った状態で保管されていて、子どもが想像するお菓子屋さんとはかけ離れていたのです。

ギスケ、えびサラダ。
―新しく取り組まれていることを教えてください。
矢地 創業以来、BtoB取引を中心に展開してきましたが、コロナ禍をきっかけに楽天市場への出店を開始し、BtoCビジネスへ挑戦することになりました。コロナ禍で売上が半分になった月もあり、このまま同じことをやっていてもダメなんじゃないかと思ったのがきっかけの一つです。
私たちが主に取引している町の和菓子店や小売店は、後継ぎがいなくて廃業されるお店も多いです。何か新しいことをしなければならないというのはコロナ禍の前から考えていました。とくにネット販売では、お客様が実際に商品を手に取れないので、言葉や写真の見せ方、商品の伝え方が重要になります。長年培ってきた広告制作のスキルが、この新事業で活かされたのはよかったと思っています。商品を手作業できれいに袋詰めして、見映えをよくすることも重視しています。
また、百貨店などとの取り引きも進め、問屋という影武者のような存在から一歩前に出る試みも始めています。自分たちで詰めたお菓子が有名な百貨店に並んでいるのを見ると、社内の人間も喜びます。やりがいや張り合いに繋がっていと感じています。

えび豆、こけしあられ。
―ネット販売の反響はいかがでしょうか。
矢地 レビューを通じて、お客様の声を直接聞けるようになったのはうれしかったです。「昔よく買っていたお菓子がなくなって探していたらここにあった」「引っ越して地元で買えなくなったお菓子をネットで見つけた」といった声は大きな励みになっています。

いそまき、京都の四季。
―事業の強みはどういったところにありますか。
矢地 大阪に多く存在する小さな菓子メーカーと密接な関係を築いていることです。単に商品を仕入れて販売するだけでなく、独自のアイデアを提案し、オリジナル商品を生み出しています。メーカーの職人さんと話をして、うちに合うように作ってもらったり、こういう味にしてくれないかと相談したり。自分たちのアイデアを生かしてくれるメーカーとの関係性があるのは強みです。
最近では「味のついた和三盆糖」などユニークな商品も手掛けています。「かわいい」という要素が重視される現代のトレンドを捉えた商品開発も積極的に行っています。

ふきよせ、元禄奴。
―今回ご紹介する「花吉野8袋セット」の開発の経緯を教えてください。
矢地 楽天市場に出店する際、先行して出店している問屋やメーカーと差別化するために生まれたのが「選べるお菓子セット」という発想でした。大阪の問屋であることを生かし、いろんな種類の「あまり目にしたことのない」お菓子が選べることをコンセプトにしました。この商品は、知らないお菓子を少量ずつ試せるという点がお客様に喜ばれ、主に50〜60代のお客様から支持を受けています。全国各地からオーダーがあり、卸売りとして取引のない日本海側の地域からも注文があって、素直に喜んでいます。当初は6袋セットとして始まり、ヒットしたので、やり方が間違っていなかったと安心しました。原材料が高騰するなか、単に価格を上げるより、8袋セットに設定しなおすことで送料を無料にするという形にしました。

松風、生姜もみじ。

ミックス豆、抹茶小丸。
―今後の展望を教えてください。
矢地 変わっていくことを恐れずにやっていきたいです。これで正解と思わず、少しずつでも改良していく気持ちを忘れないようにしていくつもりです。また、おいしさを求めるお客様に向けて、新しい届け方を模索する姿勢も大切にしています。当店のお菓子を欲しいと思っているお客様の手元に、しっかりと届ける努力を続けていきます。

宝来豆、生姜小丸。
―貴重なお話をありがとうございました。

「花吉野8袋セット」
価格:¥3,460(税込・送料無料)
店名:美味菓亭(びみかてい)
電話:06-6790-1571(9:00~17:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/tastypresenter/bmk-001-b/
オンラインショップ:https://www.rakuten.co.jp/tastypresenter/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
矢地 克行(株式会社やぢ 代表取締役)
1966年大阪市天王寺区生まれ。大学卒業後、広告制作会社に10年間勤務し、創業者である父の病気のため、1997年株式会社やぢに入社。2017年に2代目である叔父の跡を継ぎ、3代目として代表取締役に就任。2020年楽天市場に出店。本業である菓子卸業のBtoBから、ネット販売であるBtoCにも注力している。
<文/垣内栄 MC/藤井ちあき 画像協力/やぢ>