激戦区を制して20余年。「ミスターラーメン」の異名を持つレジェンドの味、「ひるがお」の塩らーめん

2025/04/04

今回、編集長アッキーが注目したのは、ラーメン激戦区である東京・環七で確固たる地位を築いてきた超名店「せたが屋」。創業者である前島司氏はラーメン店で修行をしたことがない新進気鋭のラーメン職人として、その名を知られています。人気店の誕生秘話やトップランナーであり続けられる理由など、お話をお伺いしてきました。

株式会社せたが屋 代表取締役 前島司氏

−「ミスターラーメン」と呼ばれるレジェンドですが、いつからラーメンにご興味を?

前島 二十歳の頃に高知県から東京に出てきたのですが、当時はバブル全盛期で、よくディスコで遊んでいました。その帰りに食べていたのがラーメンです。友人が連れて行ってくれた店には行列ができていて、並んでまで食べるのは初めてでしたが、みんながワクワクしながら待っているのをみて「ラーメンっていいな」と感じ、その魅力に引き込まれていきました。それからはもう全国を食べ歩きました。当時はインターネットもありませんでしたから、雑誌などを頼りに北海道から九州まで食べて回りました。

―その後、ご自身でもラーメン作りを?

前島 自分でもやってみたくなって寸胴鍋を買い、骨からダシを炊いて作りました。友人や家族に振舞っているうちに店もやってみたくなりました。当時は建築系の仕事をしていたのですが、10年ほどラーメンの研究を続けながら、店ができる場所を探しました。
ある時、仕事の現場で空き店舗を紹介され、これがチャンスと「僕に貸してください」と頼んで起業しました。それが、世田谷の駒沢、環状7号線沿いにある本店です。内装も外装も当時の仲間や知り合いに頼んで、かなり安く作ることが出来ました。ラーメンは豚骨にするか魚介系にするかで迷ったのですが、自分が好きなのは「喜多方ラーメン」だったので、醤油ラーメンの店としてスタートしました。

開業当時から同じ場所にある「せたが屋」本店。東京の環状7号線沿いは、ラーメン激戦区として知られている。

―そのお店が、いきなりブレイクしたのですか?

前島 「よさこい」という店をオープンしたのですが、失敗しました。最初は良かったのに、どんどんお客さんが減ってしまったんです。カツオ節や宗田節(そうだぶし)で作ったスープは酸化しやすく、味がブレてしまうことに気がついていませんでした。開店直後はおいしくても、8時間、9時間と営業しているうちに、どんどん真っ黒いスープになって、お客さんに「夜になるとまずくなる」と叱られました。すっかり自信をなくして、「もうやめよう、元の仕事に戻ろう」と思ったこともありました。でも、ずっと夢だったラーメン店ですし、もう一度研究し直して、半年後に心機一転、再出発したのが「せたが屋」です。今度こそ地元の人に愛されるようにと名づけました。それが2000年10月のことです。

「せたが屋」の煮干し醤油らーめん。
「スープとは、店主の情熱のすべてを注ぎ込んだラーメンの命そのもの。
お客様のうなずく表情を思い浮かべながら、寸胴に食材と魂を注ぎ込む」。
前島氏が独学で学んだことの全てが結集している。

―「せたが屋」が人気店となり、次は塩ラーメン専門店を開店されるのですね?

前島 その頃、塩ラーメンがブームでした。実は塩ラーメンが一番難しいのですが、避けては通れないと思い、挑戦することにしました。しかも、「せたが屋」のメニューの一つにするのではなく、塩ラーメン専門店にしたいと考えました。とはいっても2号店を出す余裕はなかったので、それじゃあ「せたが屋」の営業時間外の昼の時間帯にやろう、ということに。ラーメンの「二毛作」です。同じ店舗ですが、夜・昼で従業員も、ユニフォームも、どんぶりやのれんまで、すべて変えて営業しました。

「せたが屋」本店は、昼の時間帯には塩ラーメン専門店「ひるがお」になる。
ホタテと貝柱が主役の贅沢スープに、ベトナムの自然海塩の旨みを溶け込ませた魚介風味際立つ上品な一杯。

―バリエーション豊かに多店舗を展開されていますね?

前島 それからはいろんなラーメンを作りたくなって、挑戦してきました。現在は、8ブランドあり、直営店は17店舗ですが、過去には40くらいのブランドを作りました。思いついたものはやってみて、ダメなら閉店するというスタイルでやってきました。海外にも進出しています。どうせやるなら自分が好きな場所がいいと思って、最初はニューヨークにしました。タイなどにも出店経験がありますが、今は、ニューヨークと韓国にあります。

家系や二郎系といったラーメンも、独自の解釈で再構成し、お店のラインナップに加えている。

ニューヨークにある系列店「mazete」。その他に「せたが屋ブルックリン店」などがある。

―今回ご紹介いただくのは、「ひるがお」の冷凍のパック詰めです。

前島 「ひるがお」の塩ラーメンは、本店で作ったものをそのまま冷凍して商品化しています。スープは鶏ガラ、丸鶏をベースに、昆布、ホタテ貝柱、宗田節、カツオ節、香味野菜などを3、4時間ほど煮たものです。長時間煮込みすぎず、風味が飛ばないベストなところでご提供しています。麺については、各ブランドのスープと最も相性のいいものを提供するため、2015年に「コナノチカラ製麺所」を設立しました。「小麦の豊かな香りをそのままに味わえる麺」を目指し、原料・製造管理にこだわりを持って提供しています。また、食材は高知のものをなるべく使うようにしており、はちきん地鶏などを採用しています。

冷凍のセット内容は、スープ、麺、チャーシュー、メンマ、あおさのり、貝柱粉。
お店のスープがそのままたっぷり入っているのが嬉しい。

―自宅でおいしく作るコツを教えてください。

前島 とにかく、最初に段取りを終わらせておくこと。準備はしっかりしておかないと、麺が伸びたりしてしまいます。麺の食感が命ですから、大きめの鍋にたっぷりのお湯で泳がせるように茹でてください。ザルにさっと上げて、あらかじめどんぶりに入れたスープに入れ、なるべく早く食べてください。もたもたするのが一番いけません。

スープは湯煎で温めるだけ、麺は2分ほど茹でるだけ。これだけで極上の塩ラーメンが自宅で味わえる。
スープはさらっとしているのにさっぱりしすぎず、魚介のだしがしっかりと感じられる。
つるつるもちもちの麺が喉越しよく、食べ応えもあり。

―今後のお取り組みをお聞かせください。

前島 お取り寄せは、コロナ禍にどの店も冷凍を作るようになり、ラインナップが充実し飛躍的に伸びました。うちには家系ラーメンの「がんくろ」、二郎系の「魚郎」といったブランドもありますから、そちらも今後商品化していきたいと思っています。ぜひ楽しみにしてください。

―まだまだこれからもレジェンドを期待しています。本日は、貴重なお話をありがとうございました。

【3食】ひるがおの塩らーめん
価格:¥2,820 ※税込・送料別
店名:らーめん せたが屋 ひるがお
電話:03-5731-6511(10:00~17:00 土日祝・年末年始など休業日を除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://setagaya.supersale.jp/items/58668302
オンラインショップ:https://setagaya.supersale.jp/

※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。

<Guest’s profile>

前島司(株式会社せたが屋 代表取締役)
1962年生まれ、高知県出身。独学で試行錯誤する中、2000年に魚介系醤油らーめん店「せたが屋」を開業。後に環七を制したラーメン店と呼ばれる。二毛作と呼ばれる営業形態や独自のオリジナルブランドを次々と世に生み出すことから「ミスターラーメン」との異名を持つ。2008年にはニューヨーク進出を果たし、世界のラーメンブームの先駆者的存在。

<文・撮影/尾崎真佐子 MC/田中香花 画像協力/せたが屋>

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