
鹿児島発のロングセラー、佃煮が手作りできる「わが家の佃煮『緑袋いりこ』セット」
2025/04/28
今回、編集長アッキーが気になったのは、佃煮の手作りセットです。商品を製造・販売する株式会社竹下 代表取締役社長の竹下幸孝氏に商品の人気の秘密を取材陣が伺いました。
―創業の経緯を教えてください。
竹下 当店は1946年に祖父の竹下清蔵が鹿児島中央町に個人商店として創業したのが始まりです。もともと鉄道員をしていて、戦前に台湾に渡りましたが、日本が敗戦して帰国しました。鹿児島中央駅のそばで昆布を並べて商売を始め、徐々に軌道に乗って、いりこやちりめん等の海産物も扱うようになりました。今はちりめんが一番の主力商品となっています。その後、父が跡を継ぎ、母が佃煮セットの販売を初めて、これが大ヒットしました。「とにかく品質を落とさないこと」を常に考え、原材料の調達を厳選してこだわってきました。私は2017年に社長に就任し、3代目になります。

佃煮には最高級の国産煮干しを使用。
―2008年に入社されるまでに修業をされたそうですね。
竹下 広島県の尾道が日本でも有数の海産物の集散地なので、そこの問屋で働きました。1月から12月まで獲れる魚が違いますので、1年ちょっと修業しました。広島でプロのもとで勉強して、鹿児島に帰ってきてからは最前線で仕入れから販売まで担当していました。
―今回ご紹介させていただく「佃煮調理セット」が開発された経緯を教えてください。
竹下 会長婦人である私の母の発案です。ご家庭で味噌汁の煮干しの出汁を取らなくなってきた時期でもあり、外食産業も発達してきました。店先に立っていた母が、何とか煮干しを売れないか、食べてもらえないかと考えていました。その際、奄美大島出身のお客様から佃煮のおいしい作り方をアドバイスいただき、そこにアレンジを施して販売を始めました。
当時はバブルがはじけた後で、ランチの外食が弁当に変わり、当社の佃煮調理セットが家族のお弁当に入れるおかずとして評価されたようです。

作ったあと、食べきれない分は、小分けして冷凍保管できます。
―素材選びについてのこだわりを教えてください。
竹下 いわしについては、基本的に煮干しとちりめんが私たちの主力商材です。煮干しちりめんというのは片口いわしの乾燥品です。ちりめんが稚魚で、煮干しは少し大きくなったものです。私は自分で産地に買い付けに行き、6月下旬から8月までは頻繁に瀬戸内海沿岸と鹿児島を行き来しています。瀬戸内海で確保できない場合は長崎県まで足を伸ばすこともあります。関東では少し小さいと言われるサイズですが、西日本では最高級の煮干しとして評価される「カエリ煮干し」というジャンルになります。
昆布は長年取引いただいている昆布メーカーさんと、この商材に合わせて母が味を作りました。ほぼプライベートブランドのような形で作っていただいており、かれこれ40年ほどの取引になります。
かつお節の最高級品は「本枯節」ですが、あえて使っていません。荒節という手前のものが一番おいしかったからです。農林水産大臣賞も受賞されている山吉國澤百馬商店さんが、うちのために荒節をうちの好みで作ってくれています。削りも特注で、中に入れているガスの充填の仕方まで当社の要望を聞いていただいています。もう30年以上の取引です。
タレはつけたくなかったのですが、みりんがなかったり、醤油をたくさん置いていないご家庭も多くなってきているので、タレがあった方が楽だというお声があったのです。そのため鹿児島でも歴史のある醤油屋さんにお願いして作っていただきました。鹿児島の醤油は甘いので、本来は自分たちが慣れ親しんだ醤油とみりんで味付けしていただく方が口に馴染むと考えています。

ご飯のお友に。お酒のおつまみに。カルシウムたっぷりでヘルシー。
―おすすめの食べ方はありますか?
竹下 辛いものがブームだった時には、ラー油を混ぜて食べられる方もいました。また、朝トーストの上にマヨネーズをかけて食べるとおいしいという声もありました。私は炊きたてのご飯にたっぷり乗せて、お味噌汁と一緒に食べるのが一番好きです。レーズン・ピーナッツなど、自分たちの郷土の酒の肴と一緒に入れて、おつまみ感覚で食べる方もいらっしゃいます。
―この商品はどこで購入できるのでしょうか?
竹下 基本的には直売で、お問い合わせは9割がお電話です。長いお付き合いのお客様が多いです。
―今後の展望をお聞かせください。
竹下 最近は海洋環境が厳しい状況が続いており、高品質のものをお客様にストレスのないお値段でお届けすることが難しい時代になっています。弊社は創業以来、産地に直接行って買い付けてくる歴史がありますので、素材を吟味して、お客様に直販で販売しているメリットを感じてもらえるような提案をしていきたいと思います。
また、昨年12月に鹿児島で飲食店『うどん屋かねせい』をオープンしました。弊社が仕入れてきた煮干し、昆布、かつお節で出汁をとり、自分たちで製麺機も購入して麺を作っています。取引先からの素材を使って海鮮丼も提供するなど、リーズナブルに食べていただける場所を作りました。これも今後の展開として、お客様に喜んでいただけるきっかけになればと思っています。
―貴重なお話をありがとうございました!

「わが家の佃煮「緑袋いりこ」セット」
価格:¥2,160(税込)
店名:竹下清蔵商店
電話:099-254-9122(9:00~18:00 土は17:00まで 日祝休み)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:http://www.kantan-tsukudani.com/?pid=89728177
オンラインショップ:http://www.kantan-tsukudani.com/
https://www.rakuten.ne.jp/gold/kanesei-takeshita/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
竹下幸孝(株式会社竹下 代表取締役社長)
1979年鹿児島生まれ。大学卒業後地元企業に就職。
2008年 入社 家業を継ぐため広島の海産物問屋で修業
2017年 代表取締役社長 就任
<文/垣内栄 MC/田中香花 画像協力/竹下>