
低カロリーで人気。外はカリッ、中はモチッ愛媛発「こんにゃくベーグル」
2025/04/25
今回、編集長アッキーが気になったのは、こんにゃくを配合したベーグルです。商品を製造・販売する株式会社一柳 代表取締役の一柳美枝子氏に商品の人気の秘密を取材陣が伺いました。

株式会社一柳・代表取締役の一柳美枝子氏
―社長の経歴を教えてください。
一柳 夫の両親が愛媛県四国中央市で「一柳こんにゃく店」を始めたのが1960年です。その後、1994年に私が引き継いで現在に至ります。当時はシンプルな平こんにゃく、糸こんにゃくを中心に扱っていました。こんにゃく作りも店の経営もまったくの素人だったため、多くの失敗を繰り返しながら奮闘する日々が続きました。
こんにゃく業界は機械化が進み、大量生産された個性のない画一的なこんにゃくが主流になっていました。でも私はこんにゃく芋本来の風味や食感のある、昔ながらの本物のこんにゃくをお客様に味わって欲しいと思ったのです。そこであえて手間暇のかかる伝統製法によるこんにゃく作りに戻りました。こうして復活させた生芋100%の「媛だるまこんにゃく」が、今では当店の看板商品となっています。

看板商品の媛だるまこんにゃく。
―こんにゃくケーキの製造を始めたきっかけを教えてください。
一柳 こんにゃくは日本の伝統的な食材で、食物繊維も多く、腸の長い日本人にはおすすめの食材です。ただ、調理をしないと食べられないため、消費量は減っており、こんにゃく離れへの危機感を感じていました。
そんなときに、マンナンライフさんがこんにゃくゼリーを販売し、話題になりました。こんにゃくがお菓子に使えることがわかり、当店でも作ってみることにしたのです。こんにゃく特有の食感や匂いを抑えつつ、風味豊かで食べやすい商品を試行錯誤し、こんにゃくケーキを製造するようになりました。すると商品を扱ってもらう売り場が、総菜部門からお菓子部門へと変わりました。総菜部門は価格競争になっており、大手企業さんと勝負するのが大変でもあったので、お菓子作りのほうにも力を入れるようになったのです。1998年にこんにゃくケーキを、2005年にこんにゃくベーグルの製造を始めました。おかげさまで売り上げは好調で、楽天市場でも高評価をいただいております。

新鮮卵、食物繊維豊富なこんにゃくをたっぷり加えて焼き上げた、こんにゃくケーキ。
―今回ご紹介する「こんにゃくベーグル」の特徴を教えてください。
一柳 こんにゃくベーグルのこんにゃくの含有量は40%以上で、モチッとした食感は一般的なベーグルと変わりません。フレーバーも豊富で、期間限定も併せると15種類以上ご用意しています。プレーン味は愛媛県産のはだか麦が入っていて、さらに栄養価の高さを意識しました。今はごま、くるみ、レーズンシナモン、チーズ、チョコチップ、かぼちゃ、クランベリー、ほうれん草ピーナッツ、オニオン、おからきなこが定番商品です。個人的には期間限定のよもぎ金時豆もおすすめです。

もっちりとした食感で、噛めば噛むほど味わいが深まる。

こんにゃくベーグル。具材を挟んでベーグルサンドにし、栄養バランスをアップ。
―こんにゃくベーグルを開発される中でご苦労はありましたか?
一柳 開発の際は、最適なこんにゃくの配合割合を研究するために、何度も試作を重ねました。試作完成後も、品質の安定のために、継続して研究を進めてきました。フレーバー素材によって仕上がりが変わることもあるため、フレーバーを増やすごとに研究が欠かせません。一方で、飽きることなく長くご愛用いただけるよう、常に新しいフレーバーを研究しています。「こんにゃくベーグル」という商品カテゴリとしては完成していますが、シリーズ構成としてはまだまだ研究を重ねる日々を続けています。

賞味期限は、常温20日、冷凍30日。
―こんにゃくの原料はどちらのものでしょうか?
一柳 今は群馬の契約農家から仕入れています。1年に1回栽培されるので、芋の状態で送ってもらい、冷凍保存し、それを使ってこんにゃくにしています。ベーグルにはこんにゃく粉を使用しています。
こんにゃくは食物繊維が豊富で、低カロリー、低糖質、低脂質。こんにゃくベーグルは、ダイエット中の方にもおすすめです。
―店舗名の「空とぶくじら」の由来を教えてください。
一柳 以前お店が併設されていた建物にはクジラの絵が描かれていて目をひくデザインになっています。昔、瀬戸内海にクジラがいたという歴史があって、地元の高校生たちが描いてくれました。「街の飛翔」への願いを込めて、海から四国山脈へ向け、力強くクジラが舞い上がる様子をデザインしています。私もクジラが大好きなので、「空とぶくじら」という店名にしました。
お店には1日300人くらいお客様に来ていただいて、年配の方から、ご家族、若い方までご利用いただいています。販売しているごはん、総菜、デザートとすべての商品にこんにゃくが入っていて、こんにゃくの消費拡大を推進しています。

四国中央市の国道11号線バイパスの交わる場所にお店はある。
―今後の展望をお聞かせください。
一柳 こんにゃくの消費は食の欧米化や少子化により減少傾向にあります。1世帯で1カ月に1丁半しか食べられていないとも言われています。こんにゃくの消費拡大にあたって、新商品の開発とあわせて、ベーグルやケーキの種類を増やしたり、形を変えたりして、さらに深めていきたいです。
―貴重なお話をありがとうございました。

「こんにゃくベーグル6個セット」(2種×3個)
価格:オープン価格(参考価格1個¥250)
店名:一柳こんにゃく店
電話:0896-23-2420(9:00~18:00 土日祝除く)
定休日:インターネットでのご注文は24時間365日受付
商品URL:https://item.rakuten.co.jp/ichiryukonnyaku/honki_01/
オンラインショップ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/ichiryukonnyaku/
※紹介した商品・店舗情報はすべて、WEB掲載時の情報です。
変更もしくは販売が終了していることもあります。
<Guest’s profile>
一柳美枝子(株式会社一柳 代表取締役)
1956年愛媛県生まれ。1994年、創業者である先代から会社を引き継ぐ。以降、伝統製法のこんにゃくを守りながら、こんにゃくを使った新しい商品開発を続けている。
<文/垣内栄 MC/藤井ちあき 画像協力/一柳>