コンセプトは地産地消。信州の名産にちなんだ5種類のスパイス
田中氏は、表参道の有名フランスレストラン「レ・クリスタリーヌ」のオーナーシェフ。本場のミシュラン星獲得レストランでの経験も豊富なフレンチの第一人者です。「日本全国お取り寄せ手帖」の連載でもおなじみの大木氏は、レストランキュレーターとしても活躍し、今回、和のスパイスを共同監修しています。
美食の国であり、農業国であるフランスでは、地産地消は料理の一大潮流。ショコラに塩やスパイスをふりかけ、チョコの一層の甘さやコクを楽しむのもフランスでは定番なのだそう。「長野ワインショコラ」監修時から地産地消をテーマにしていた田中シェフは、今回、ショコラ×スパイスを監修するのにあたっても、日本ならではの食材で、信州の名産にちなむものも取り入れることを提案。そうして選ばれたのが、わさび海苔、野沢菜、韃靼そば、わさび七味、黒ごまきな粉の5つのスパイスです。
「ぼく自身、生チョコと辛いものが合うのでは、と思い、提案に参加させていただきましたが、実際に味わってみると想像以上でした。フルーティーなチョコとの相性も抜群。ビターなチョコだとこうはいかないですよね」と大木氏。
「このチョコのまろやかさがいいんです。実は、ワインの味をチョコで出すのはむずかしい。赤ワインとカカオの風味が引きたてあっている『長野ワインショコラ』だからこそ、スパイスに負けることなく、チョコの持ち味をさらに楽しむことができます」と田中シェフは語ります。
スパイス選びは、経験豊富な名シェフにとっても驚きと発見に満ちたものだったそうで、たとえば野沢菜スパイスは、「しょっぱくてちょっと辛くて、世界中でこれだけしかない野沢菜の味と生チョコは最高のマッチング。韃靼そばのカリカリした食感もチョコを楽しくさせてくれます」。